墨汁の原材料
墨汁は、田口精爾という開明墨汁の創業者が、明治20年代に小学校教員をしていたころに思いついたものです。
墨汁の原材料はものによって違いますが、一般的に、煤(スス)・ニカワ・防腐剤が使われている場合と、カーボン(炭素)・化学合成樹脂の接着剤で作られているものが多いです。
煤とカーボンが墨汁の色を、ニカワと接着剤が墨汁の粘りをそれぞれ担当しています。
煤とニカワから作られる墨汁に、なぜ防腐剤が入っているかと言うと、ニカワが動物性タンパク質であるからという理由があります。
墨汁の原材料であるニカワが細菌の温床とならないように、防腐剤が含まれているんです。
防腐剤の含まれない液体墨は2年で腐るとされ、動物特有の腐敗臭や、筆を傷める原因となってしまうのです。
墨汁の原材料については先ほど大まかに触れましたが、より細かい材料も明らかにしておきます。
カーボンブラックや煤、ニカワ、合成樹脂を始め、ニカワの独特の臭いを消すために香料も使用されています。
最近の墨汁は、ニカワが高品質に改良されているため、墨の匂いを出すために龍脳などを使う場合もあります。
墨汁の原材料にはそれらに加え、防腐剤、凍結防止剤、消泡剤が含まれています。